スラックス
日本で1950年代中頃に流行したスラックスはマンボズボン(ペッグトップ)というもので、渡りから膝まではある程度の太さがあり、裾(約8インチ)にかけて急激に細くなったシルエットが印象的で、興味を持ち始めた学生時代にはとても新鮮に見えたのを記憶しています。
その後、1970年代には裾の広がったパンタロン、1990年前後にはジョルジョ・アルマーニやジャンフランコ・フェレに代表されるような、股上が深く全体に太目のシルエットが流行していきます。
流行した殆どのスラックスを見て感じる事ですが、日本人の骨格には不向きなシルエットが多いような気がします。特に近年の、股上が浅くノータックで細身のスラックスはエレガントに見えず、逆にO脚等の欠点を強調しているのではないかと思います。
また色の面においては、グレイ系の濃淡を中心に、ベージュやグリーン系のアースカラー、素材では夏場にはホワイトのリネン、コットンをおすすめしたいと思います。流行を否定し全く取り入れないという訳ではありませんが、上質なものを愛着を持って長く着用するには、中庸(オーセンティック)なものがベターではないかと思っています。
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