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サスペンダー

サスペンダー (Suspenders))

現代におけるサスペンダー

   “ズボン吊り”と訳されるサスペンダーは、クラシカルなムード、また演出によってはコミカルなムードを醸し出す小道具になります。圧倒的にベルトを着用する方が多い昨今ですが、サスペンダーはスラックスのラインを美しく見せる点とウエスト位置を一定にし、裾のたるみを無くすなど実用性も有ります。

 1960〜70年代以降、映画のシーンや一般的な紳士の着こなしが上着を脱いでサスペンダー姿を見せる事も多くなり、ネクタイと変わらない色柄等、お洒落のポイントとして使われる事が多くなりました。しかし 本来サスペンダーは、ガーター/ソックスサスペンダーと同様に下着の一部と考えられて人目にさらすものではないとされ、留めるボタンもスラックスの外側ではなく、内側に付けるのが主流でした。

サスペンダーの語源と歴史

 アメリカでは、スラックスやスカートを吊るす為に肩にかかる紐やバンドの事をサスペンダーと呼びますが、英国ではBraces/ブレイシス。 サスペンダーというとガーター/ソックスサスペンダーやアームバンドを指す場合もあります。

 18世紀のフランス革命の頃にサスペンダーが生まれたと言われていますが、当時のスラックスはかなり股上が深く、肩から紐の様なもので吊ったほうが動き良く機能的に適していたからとの事です。 その後、お洒落を意識する紳士達に広まり必需品として定着していきました。型としては、18〜19世紀前半にかけてH型、X型、19世紀中ごろからはY型が主流となり、変化をしていきました。

 素材も1930年代後半には伸縮のあるエラスティックが登場し、サスペンダーにも使われる様になりました。それに伴い1940年代には、履き口にゴムを施したソックスが主流になり、ガーター/ソックスサスペンダーは少しずつ需要が少なくなっていきました。

 日本国内では、1920年創立の内外編物が1930年頃にガーター付き靴下を作製。 靴下にゴム糸を入れる技術がない時代ならではのセット販売がありました。1940年代後半には履き口にゴム糸を入れる技術が開発され、欧米と同様にガーターは姿を消す様になりました。

サスペンダーの種類と付け方

 サスペンダーにはボタン留め、クリップ留めとありますがオーセンティックな仕様はスラックスにボタンを付けて使う前者になります。型は、H型、X型、ショルダーホルスター型、Y型の4種類。H型とX型は背中で交差し、スラッスに付けるボタンの数は前4ケ、後4ケの計8個(後2ケの物もあり)。
 ショルダーホルスター型は、フロントから見るとサスペンダーを付けていない感じに見え、ボタンは左右に2ケずつ、後4ケの計8個。
 現在は主にY型がサスペンダーの主流になり、スラックスにボタンは前4ケ、後2ケの計6個。

 ボタン留めのサスペンダーは、スラックスの内側に付ける物がオーセンティックですが、その他に外側に付ける物、前は内側、後は外側に付ける物の3種類があります。その中で前は内側、後は外側に付ける仕様は、強く引っ張られてもウエストマンが崩れにくく、椅子に腰かけた時に背中に当たって痛くならないよう考えられています。

信濃屋におけるサスペンダー

 国産で取り扱ったブランド/メーカーは、国内で最初にサスペンダーを作製したTaniwatari。その他、RAMUDAではフェルト素材を使いOEMで展開しました。現在は英国のALBERT THURSTONでフェルトの色をチョイスして販売しています。

 15年程前の出来事になりますが、元町店のメンズフロアーに皇室の方がお買い物にいらっしゃいました。色々な物をご覧になった中でガーター/ソックスサスペンダーを見つけられ、日本では珍しいと大そう喜ばれ購入された、というエピソードがありました。

参考文献
・スタイル社『エスカイア版20世紀メンズ・ファッション百科辞典 (日本語版)』
・婦人画報社『男の定番辞典』
・Wikipedia
・週刊ファッション情報

 

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