ドレスシャツ(Dress Shirt)
ドレスシャツの歴史
シャツの起源を歴史的にみると、古代ローマで着用されていた「チュニック」が現代のシャツに変化してきた事は、このWeb Shop (2015.6月編)でご紹介をしています。
特に20世紀に入るとシャツの多様化が著しく進展し、ボタンダウンやピンホール等が登場している事から、現代シャツの大部分は20世紀以降に誕生したと云えます。
ドレスシャツの襟型
今回はドレスシャツの襟型についてご紹介をしたいと思います。
「レギュラー・カラー」 ドレスシャツの定番でベーシックなデザインだけに、コーディネイトのセンスが大事になるシャツです。云い方を替えれば、その時代の最も標準的なカラースタイルが「レギュラー・カラー」で、襟の開きも若干違っているようです。
「セミワイドスプレッド・カラー」 「イングリッシュスプレッド・カラー」とも呼ばれ、最も英国らしいシャツです。オーソドックスなブリティッシュスタイルの着こなしがよく似合うシャツで、現在のレギュラー・カラー的な位置付けのシャツになるのかもしれません。
「ワイドスプレッド・カラー」 1920〜1940年代の着こなしに多大な影響を与え、英国ウィンザー公が好んで着用した事から、「ウィンザー・カラー」とも呼ばれています。 襟のスプレッド(開きの角度)も広く、肩幅があるガッチリした体型の方に似合うと思われます。
「クレリック・カラー」 色無地や縦縞の身頃と袖に白い襟が付いている事で、その対比がお洒落な印象を与えています。特に「ラウンド・カラー」のクレリック・シャツは、1920年代にロンドンの紳士達の間で大流行したようです。
「ボタンダウン・カラー」 1900年頃に登場し、スポーティーなデザインがアイビーリーガーに好まれた事から、アメリカで確立したスタイルの一つです。その後アメリカからヨーロッパへ渡り、日本には1970年代のアイビーブームで学生達を中心に広まります。現在ではドレスシャツの役割も果たすようになり、ビジネスマンにも多く使われています。
「タブ・カラー」 左右の襟羽の裏に付けられた、小さなつまみ紐にネクタイを通し、襟元のVゾーンを引き締めるカラーです。タブはスナップ・ボタンで留める「ホックタブ」と、ループでボタンを引っかけて留める「ループタブ」が、代表的なものになります。
「ピンホール・カラー」 襟の中ほどに開けたアイレット(ハト目)にピンを通し、その上からネクタイを引き出すスタイルで、「タブ・カラー」と同様に襟元を引き締める効果もあります。
「イタリアン・カラー」 別名「ワンピース・カラー」とも呼ばれる台襟の無い襟で、元々はセーターのカラーとして南イタリアのリゾート地で流行し、後にシャツの襟に応用されるようになります。
「ラウンド・カラー」 襟先が丸い形な為、クレリックなどエレガントなシャツに用いられる事が多いようです。また遊び心もミックスされている「ラウンド・カラー」は、大人が似合うディテールとも云われています。
「オープン・カラー」 リゾート感がある夏のシーンにピッタリなシャツで、ネクタイを締めないジャケットなどにも合せる事が出来ます。日本の夏には最適なシャツの一つで、「開襟シャツ」と云われる古いイメージもありましたが、近頃の気候で見直されています。
「ウィング・カラー」 呼び名が示す通り、襟の前の折り返しが首から離れ、鳥の翼のように開いています。アスコット・タイを合わせる最もフォーマルな着こなしが出来るシャツで、イギリスのアスコット競馬場において貴族達が正装に用いた事から、流行したようです。
信濃屋のドレスシャツ
過去にはイタリアの「FRAY」をはじめ、数々のインポートシャツを取り扱ってきましたが、現在は価格の高騰などで、国産オリジナルやパターンオーダーを中心に展開をしています。またお選び頂ける生地も、トーマス・メイソンなどのインポートから細番手の200/2までと、幅広いコレクションを取り揃えて居ります。
襟型などパターンオーダーについての詳細は、ホームページの「パターンオーダー シャツ編」をご覧になって頂ければと思います。
参考文献
・スタイル社『エスカイア版20世紀メンズファッション百科辞典』日本語版
・山喜株式会社 ホームページ 「シャツ辞典」
・アシェット婦人画報社『NEW MEN’S CLUB BOOK No,4 THE SHIRT』
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